【第17回】素晴らしいふるさと丹波と世界をつなぐ
氏名:中川 ミミ
職業:丹波市地域おこし協力隊
出身国:エチオピア・日本
推薦者:丹波市国際交流協会
- どんな仕事をしていますか?
地域おこし協力隊として、丹波市内のまちづくりの一環として空き家の利活用や丹波市内への移住を提案しています。インターネットでその魅力を発信し、東京など都市部で丹波の暮らしを紹介するイベントを行っています。また実際に空き家物件のリノベーション作業を手がけることもあります。空き家はネガティブに受け取られがちですが、第3者によって家の価値が新たに見出されることで、家族や地域全体に喜びや自信、愛着が戻り、空き家に人が入ることにより、地域に新たな気づきや良い変化がもたらされるところに仕事のやりがいを覚えています。
- 以前はどんな仕事をしていましたか?
米国の大学を卒業後10年ほど、国際協力NGOのスタッフとして、主にアジア太平洋地域の貧困問題解決を目指して活動していました。世界各地の紛争や災害から立ち上がろうとしている地域や都市部のスラム、農村の貧困地域で、世界中から集まるボランティアとともに、住宅の建築や修繕を行っていました。2011年、東北の復興支援にかかわったことで、人が安心して幸せに暮らしていくための大切な要素である「住まい」を軸に、日本でも同じような活動ができると確信しました。ふるさと丹波で現在の仕事の道が開けて帰国。大好きだった前職が今の働きに直結しています。
- 日本に来たきっかけは何ですか?
私の父は日本人で、母はエチオピア人です。私が1歳のころに、父の家業である石屋を継ぐために、家族でエチオピアから丹波に帰国しました。大阪のインターナショナルハイスクールに行くまでは、丹波をベースに暮らしていました。その後、大学進学で渡米し、米国で仕事、結婚をして、ふるさと丹波に戻りました。
- 話せる言葉は何ですか?
日本語、英語を話します。またエチオピアの主言語であるアムハラ語も少し話すことができます。
- あなたの国のPRをしてください。
エチオピアは、他国の植民地になった歴史を持たない独立を守った国家だということは、エチオピア人の誇りです。また、エチオピア料理はとても辛いけれども美味しいことは、世界的に知られています。「ワット」という肉や野菜を独特のスパイスで煮込んだシチューのようなおかずを、「インジェラ」と呼ばれるイネ科穀物の粉から作る発酵させたクレープのような主食でくるんで食べる料理はおすすめです。エチオピア人はとてもあたたかくフレンドリーで、周りの人たちとのつながりを大切にします。「コーヒーセレモニー」として一日に何度も集まり、コーヒーを飲みながら家族の近況を話したり、内職をしながら情報交換したりします。
- 一番好きな日本の場所は?
やはり丹波が一番です。普段の生活の中でふと気づく、丹波の何気ない里山の風景が大好きです。
- 一番好きな兵庫県(日本)の食べ物は?
なんといっても丹波の黒枝豆です。旬が短く量もかぎられているため市場に出回らない黒枝豆が、焼いてもゆでても美味しくて大好きです。
- 好きな言葉は何ですか?その理由は?
日本の代表的女性詩人、茨城のり子さんの「自分の感受性くらい」という詩です。この詩は、何を大切にして何を気にしなくて良いのか、その違いを教えてくれます。父が私に将来何をしたいのかとたずねてくれて、ふさわしい学校を探し、海外へ進む道を開いてくれました。この詩から、自分は何者かという意識をもつことの大切さに気づかされました。
- 休みの日は何をして過ごしていますか?
1歳半になる娘やお友達と過ごしています。丹波地域はイベントが多く、計画せずに立ち寄ってもいろいろな方たちと知り合うことができるので、積極的に参加しています。人が大好き!いつもアンテナをはって、ネットワークを広げていきたいです。
- 将来の夢や目標を聞かせてください。
これからも、丹波地域をより国際的な場所にするべく、アクションをおこしていきます。みなさんの意識や心が世界にむけてさらに開かれ、顔と顔を知る関係性ができますように。国と国とのボーダーラインを超えて、世界レベルで課題解決に取り組んでいきたいと思っています。
- 海外からくる人々に兵庫県(日本)のPRをお願いします。
We hope you can help us promote Hyogo (Japan) to overseas visitors.
Hello, friends! I welcome you to my hometown Hyogo. For city travelers, we have places like a historic port of Kobe, castle town of Himeji, hot springs in Kinosaki, and island of Awaji; all packed with unique cultures, food and people that make it happen. For outdoor lovers (like myself!) we have vast variety of geographic beauty fit for all activities you can possibly think of, thanks to being the only one prefecture in Japan to reach across Sea of Japan and Seto Mediterranean. Whatever pleases you, Hyogo is no “stop en route” as some may say, but it is the destination you end up staying longer than you expected. Like myself, I’m sure you will feel at home out here.
- 日本の皆さんに一言
最近は「ダイバーシティ」という言葉を聞くことが多くなりましたが、多様性を認め尊重するだけではなく、お互いの違いを活かし一緒に社会をよくする「インクルージョン」という考え方があることを知ってください。丹波も、日本の地方独特の社会課題に直面していますが、それを解決してこの素晴らしいまちを未来の子どもたちに残すためにも、今ここで暮らす私たちがインクルージョンを大切にできるといいかもしれません。ぜひみなさんも一緒に考えてみてください。そのために、私個人としても、今までの体験や考えをお話したいと思っていますので、どうぞお声がけください。