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更新日:2021年10月27日
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氏名:花村 カテリーナ
職業:大学教員、臨床心理士
出身国:ウクライナ
推薦者:淡路市国際交流協会
淡路島にある関西看護医療大学というところで心理学関連の授業を教えています。また、10年近く前に日本で臨床心理士の資格を取得しており、今は同じ大学で学生相談もしています。気持ちが疲れたり、自分のことで悩んだりしている学生と、心の世界を旅して、何がこんなにも辛いのかな、どうしたらいいのかなといったことを一緒に考える、そんなお仕事です。
日本に来る前は東洋の言語を専攻できる高校に通っていました。文化論の勉強もできるところで、当時の先生の勧めと指導もあり、松尾芭蕉や小林一茶などの俳句を訳し、俳句の中にある哲学と西洋の哲学を比較するというテーマで全国高校生論文大会に出場したこともありました。
初めて日本に来たときはまだ幼児でした。当時、祖父が研究者として日本で働いていました。ソ連が崩壊の危機となった際に、クリミア半島の略奪を目的とした戦争をロシアから仕掛けられるのではないかと恐れた祖父の尽力で日本に来ることができました。何年か普通の日本の小学校に通っていましたので、そこで日本語を自然と覚えたようです。その後独立したウクライナに帰国しましたが、日本語や日本文化を恋しく思い、19歳の時にチャンスが巡って留学をしました。それ以降ずっと日本で暮らしています。
人生の半分以上を日本で過ごしていますので、一番自信を持って話せるのは日本語です(笑)。そこから、ロシア語、ウクライナ語、英語の順番で自信が減っていきます。というのも、ウクライナの言語事情は少し複雑なのです。今はウクライナ語のみが公用語ですが、私がウクライナに住んでいた頃はソ連時代の名残がまだ色濃く、少なくとも私の身の回りではロシア語話者の割合の方が大きかったように思います。ロシア語は語彙が非常に豊かで、ウクライナ語は発音やイントネーションが歌のようにメロディックで、どちらも好きな言語です。
北にはベラルーシ、東にはロシア、西にはルーマニアやポーランドなどがあり、スラブ民族、スラブ文化と呼ばれる地域です。1300年以上の歴史があり、現在のウクライナの首都であるキエフを中心としたキエフ・ルーシという大きな国がありました。日本ではロシアの料理として知られているボルシチはもともとウクライナの郷土料理で、現在のウクライナ語やロシア語であるスラブ語派もキエフ・ルーシを発祥地とするなど、東欧やロシアに大きな影響を与えた文化地域です。
緑豊かで、黒土地帯ということもあり野菜や麦などの食べ物がとてもおいしいです。西側にはカルパチア山脈、南には黒海があります。サッカーが強くて、コーヒーとチョコレート好きが多いです。人はとても情熱的で、フレンドリーで勤勉です。政治ネタのお笑いやブラックユーモアも大好き(笑)。
日本で好きな場所はたくさんあります。一目惚れに近かったのは神戸でした。おそらく、どことなくキエフやウクライナに似ているのでしょう。それがきっかけでどんどん好きになっていったのだと思います。空気がきれいで山登りできる六甲山があり、太陽を反射してキラキラ輝く海があり、一万ドルの夜景にところどころ石畳の道、そして美味しいコーヒーとチョコレート。時々、港から聞こえてくる船の「ボーボー」はいつも心を元気にしてくれます。
これもたくさんあります。兵庫県は海の幸も、山の幸も本当においしい!特に、淡路島で食べたお魚やお野菜の料理はすごく記憶に残っていて、鯛そうめんが一番インパクトありました。毎日でも食べたい兵庫の食べ物は丹波の黒豆、淡路島の玉ねぎといかなごのくぎ煮が自分の中でナンバーワンです。
スティーブ・ジョブスの 「If today were the last day of my life, would I want to do what I am about to do today?」です。生きていくためには面倒なこともつまらないことも必要です。その積み重ねが道を開くことも多いです。ですので、毎日を「今日が人生最後の日だ」と思って過ごす訳にはいきません。しかし、ふと立ち止まったときに、この言葉を思い出し、去り行く一瞬一瞬を大事にするためにも、きちんと自分と向き合って物事の選択をするようにしています。
家族と一緒に過ごします。コロナ過ですので、あまり活発には動けませんが、タイミングをみて海や山に行ったり、家でまったり過ごしたりしています。
「何人(なにじん)ですか」と聞かれたら、「心理士(師)」ですと答えたいぐらいに私のアイデンティティはこの職業にあります。ご縁があって看護師を育てる大学で働く中で、看護教育の現場において人の心を支えるとはどういうことなのか、心の成長の幅を広げるためにはどうしたらいいのかといった事に関心を持つようになり、今は研究テーマとしています。これを時代に沿う形で突き詰めていくのが現在の目標です。今の日本の若者は傍目から見える以上に辛い時代を生き、過酷な将来を背負わされていると感じています。そこに寄り添い、共に生き方を探るそんな心理士でありたいです。
兵庫は一つの県ですが、行くところ行くところで文化が全く違います。温泉(有馬・城崎)もあり、山もあり、海もあり、おしゃれなお城(姫路城)もあれば幻想的なお城(竹田城)もあり、サファリパークまであります。六甲山や明石海峡大橋からの景色も絶景です。淡路島は海や山の幸がとーってもおいしくて、神戸や西宮では日本風にアレンジされた洋菓子や、中華、東南アジアなどの料理が食べられます。
日本は職人の文化だと感じることがあります。個人主義と集団主義、多様性と画一性、そのどちらもが不思議と共存しているような印象もあります。伝統を大事にしつつも、いろいろなものをどんどん吸収し、新しい価値を生み出す力のある国民性だと、個人的には思っています。だからこそ、誰もが肩の力を抜いて、思いっきり息を吸うことができる瞬間を持てるーそんな社会が実現してくれたらなと願っています。
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